自叙伝
「母を意識したつもりはないけれど、
深層心理にはそういう思いが
潜んでいる気がする」
65歳の秋、大津市立膳所小学校の同窓会に参加した貴司は、
翌日、琵琶湖岸を歩きながら15年前に書き上げた自叙伝のことを思い出した。
そうだ、あれを本にしよう。
昭和35年、滋賀県大津市に生まれた著者は、幼くして母の「蒸発」に巻き込まれ、 母と共に西日本各地を転々とする逃亡生活を送った。6歳で父の元に連れ戻され、 母の存在は家族の中で語られることのないタブーとなる。
やがて関西電力に就職し、国際業務という夢の仕事に就いた著者(36)は、 東京出張の帰り道、母の住む神奈川県平塚市へと向かう。 そしてついに、30年ぶりに母との再会を果たす。
波乱に満ちた人生を通して、家族の在り方と人生の意味を問い続ける一冊。
序章:空白の記憶
第一部:幼少期の記憶
第二部:居場所を探して
第三部:高校時代、新たな自分
第四部:社会への第一歩
第六部:母との再会と喪失
第七部:新たな挑戦